機能性医学って??

私がアメリカに来て、最も勉強になったことの一つに、

「機能性医学」という新しい医学の存在を知ることができ、勉強できたことがあります。

 

25年以上も栄養医学の世界を牽引してきた、

ジェフリーS. ブランド博士という国際的にもとても有名な先生が提唱してきたものです。

 

簡単に説明すると、単なる栄養医学ではなく、

①病気になる前(どんな既往があったか、トリガー、症状を調節するものなど)

②生活スタイル(睡眠、リラックス、運動はできているか、栄養状態、ストレス、人間関係は良好かなど)

③身体の状態(心の状態だけで、大きく分けて3つ、体の状態は、消化吸収、細胞構造、内分泌、神経伝達物質、有害物質がないか、心血管系、エネルギー調節、炎症の存在などなど、、)

など、個人の状態や背景をこれでもか!というほど

詳細に把握し、問題を一つ一つ解決していくものです。

 

認知症治療であるリコード法も機能性医学の一つです。

(患者さんの状態を検査で把握し、問題があれば、それを一つ一つ直していく方法ですね!ちなみにリコード法2.0認定医も、機能性医学の学会から認証されています。)

 

自分が病気になった原因を探して、それを直していく方法なので、

とても理にかなった医学であると思います。

 

ではさらに機能性医学をもっと知ってもらうために、

一般的な保険診療との違いを簡単にご説明したいと思います。

 

一般的な保険診療は、先の図のうち一部分のみに焦点を絞って診療します。

例えば心筋梗塞ならこんな感じです。

特に他の原因などを色々考慮しなくても、とにかく今!!

今起こっているこの症状を無くす!ということは得意でよく効きます。

他にも骨折や、盲腸、肺炎など急に起こった病気や怪我などは標準医療が良いでしょう。

 

でも例えば認知症やがん、他にも高血圧や糖尿病など、

原因が一つではなく、つもりに積もって起こった病気(慢性疾患)は、

原因を一つ一つ直していかないと、病気は良くなりません。

 

高血圧の薬は症状を抑えているだけで、病気を治してくれるわけではないので、

薬を飲むのを辞めたら、また血圧が上がるのがわかりやすいと思います。

 

何度も汚い図を出して恐縮ですが、

原因や背景を無視して、症状を抑えても良くならないのは、

この図を見てもらえれば、直感的に納得できると思います。

 

機能性医学は、真の個別化医療です。

自分の個人差にぴったりあった、効果が大きく、害が少ない治療を選択しましょう。