リコード法と糖代謝改善から始まって、ファスティング

リコード法治療では、糖代謝機能の適正化はまず取り組むべき重要な課題です。

『何をいまさら!』と言われる方も、もしもインスリンを意識していない様であれば、最後までお読みください。

機能性医学では、糖代謝機能の改善目標として下記の値を設定しています。
空腹時血糖 70 – 90 mg/dl
空腹時インスリン <5uIU/ml
Hemoglobin A1c % < 5.3 %
血中ケトン体 >0.5mMol/L

この目標値に関して、まず達成すべきは血糖値であることは間違いありません。リブレを使って、どんな食べ物が自分の血糖値(間質液糖値)を上げるのかは、最初に知る必要があります。

食品のGI値を目安にするのはもちろん良いのですが、実際の食生活では、それだけで正確に血糖値を推定することは不可能です。リブレセンサーを貼って、血糖値を時々測定して、自分の体の癖を知る必要があります。

例えば私の場合は、お蕎麦を食べると異常に高血糖になります。うどんよりも白米よりも血糖値が跳ね上がり、その上なかなか値が下がりません。私の体に蕎麦は合わないというか、私の場合、蕎麦は特別強く高血糖反応がおこるのです。その他、私の体に合わないお店もありました。お味は気に入っているのに、そちらのお店で外食するとなぜかやたらに高血糖になるというお店がありました。

私の例はもしかしたら特別かもしれないですが、機能性医学を勉強すればするほど、知れば知るほど、個人差は案外大きいと考えた方が正しいように思います。

さあ、リブレを頼りに自分の体の癖を知ったからには、次に当然自分に合わない糖質を避けるのが筋ですよね。血糖値を上げる食べ物を避け、睡眠を改善し、運動を行い、サプリメントを摂取し、それらを真面目に頑張って行っても、実はなんと、適正化できるのは、血糖値とヘモグロビンA1cと血中ケトン体の3種類なのです。

4項目の内の1つ、ホルモンであるインスリン値こそが、一番適正化をしなければならない大切な項目なのに、リブレを頼りに生活改善をがんばってしても十分ではないのです。その適正化にはもう一工夫も二工夫も必要です。

何を隠そう、私(インスリン抵抗性あり)もこの空腹時インスリン値の適正化でてこずっています。昨年6月に5.9uIU/mlで、今回6.2uIU/mlでした。ちなみにHemoglobin A1c は、4.9→5.1でした。このまま糖質に気を配っていれば、空腹時インスリン値を5.0uIU/ml未満にできるのでしょうか?

実はそう簡単ではなさそうです。かなり厳しそうです。
なぜなら、インスリンは糖質だけでなく、タンパク質を食べても分泌されるからです。

牛乳を飲むと血糖値は上がらなくても、インスリン値が上昇します。私は、ついこの間までレクチン様の反応を示さないA2カゼインなら体に悪くないだろうと、ブラウンスイス牛の牛乳や、ヤギや羊のチーズを好んで食べていましたが、それらはなんと血糖値は上昇させないものの、しっかりと私の膵臓を刺激しインスリンを分泌させていたようです。(正確に言うと、GLP-1が間に介在しています。)さらに、どんなタンパク質でも同様にインスリン分泌を刺激するというわけではないので、どんなタンパク質を避ければ、インスリン分泌を刺激しないで済むかが十分わかりません。

もちろん、どんな目的で糖代謝の正常化を行うかによって、どのレベルまで達成することを目標とするかは人それぞれですので、みんながみんな空腹時インスリン値5.0uIU/ml未満を目指さなくても良いともいえます。

例えば、認知機能の改善を目指していく中で、高血糖がなくなり高ケトン状態を達成できた頃に認知機能が良くなる方がいらっしゃいます。そのような方は、空腹時インスリンが5.0uIU/ml未満になっていなくても、その生活を続けていけば良いとも言えます。しかし、例えば、がんの再発を予防したいとなれば、インスリンはがんの増殖を助けますので、3.0uIU/mlを目指したくなります。

私の場合は、インスリン抵抗性を改善したいので、インスリン抵抗性がない状態である空腹時インスリン値3.0uIU/mlを目標とすべきという事になります。

インスリン抵抗性をなくすのが、本当の意味で糖代謝を正常化することです。インスリン抵抗性のない状態、糖代謝機能正常化を目指したい方には、ぜひ次の方法をおすすめいたします。

インスリン抵抗性を改善する方法は、ずばり『ファスティング』です。

どれほどのファスティングを行えば、インスリン抵抗性を改善できるかは、これままた人それぞれだと思われます。しかし、取り組むべきは糖質制限でも、ベジタリアンになる事でもなく、食べない時間をきちんととる事です。

最初は夕食後朝食まで12時間あけるでも良いと思います。ギーやMCTオイルを入れたコーヒーを利用して16時間のファスティングに取り組んでも良いと思います。一気に5日間の断食にチャレンジされたい方もどうぞ。私は1回目は5日間の断食でした。その当時3日目から体調がとても良くなりました。

ともかく、インスリン抵抗性の改善のためにはファスティングなのです。ファスティング抜きでは残念ながらインスリン抵抗性の改善はできないのです。

なぜなら、インスリン抵抗性は、基礎分泌以上のインスリンに長い時間さらされ続けたために起こってきているからです。そのように考えられています。始まりは、胎内にいる時からの場合もあります。

私の場合は3,600gで出生していますので、胎内にいた時から高いインスリン濃度にさらされていた可能性が高いです。また、子どものころ白米が好きで、朝食には必ず欠かさずご飯をしっかり食べていました。同級生の中には朝食抜きで元気な子たちが沢山いましたが、幼稚園から大学まで、きっちり朝食に白米を食べていましたから、そのころから脈々とインスリン分泌は高かったと思われます。そして、長年を経て、インスリン抵抗性を獲得したと考えられます。

インスリン基礎分泌だけというインスリン値が低い時間を長くすれば、インスリンの抵抗性は徐々に改善されると考えて、治療に間歇的断食を取り入れて、実際に効果を出しているカナダの医師がいます。Dr. Jason Fung先生です。その先生の手法を真似て、私もファスティングに取り組み始めました。

明日からさらに自分の体で、新たな実験をしてみる予定でいます。また、機会があれば実験結果をご報告いたします。