敗血症性ショックに対するビタミンC点滴の研究〜VITAMINS〜

Marik_C_Sepsis_2020

 

2017年に敗血症性ショックに対するビタミンC点滴の研究が世界的に有名になってから、

様々なRCTが組まれ

実際に現在アメリカでも、ランダム化された他施設共同研究が走っています。

 

そんな中、2020年1月17日にJAMAから、

オーストラリア、ニュージーランド、ブラジルのRCTがパブリッシュされました。

 

結果は、昇圧剤の使用時間や生存期間などに差はなし、という残念な結果だったのですが、

2017年の研究では、死亡率が従来の40%から8%に劇的に下がり、

昇圧剤の使用時間なども差が出たのに、この結果の違いは何!?

 

2017年の敗血症へのビタミンCの研究以前にも、

400を超えるピアレビュー論文があって、

ビタミンCが敗血症に効果があるというのは、もはや常識のはずだったのに・・・

 

と、とっても不思議に思っていましたが、

今日、上に載せた、Marik先生のVITAMINSへのスライドを読んで、完全に理解できました。

 

詳細は見ていただければ話が早いと思いますが、

ポイントとしては、ビタミンCの最初の投与までの時間が長すぎることが、結果が出なかった一番の理由だと考えられます。

(下の表の一番下が今回のVITAMINSですが、他の研究と比べるといかに1回目の投与までの時間がかかっているかわかります。)

また下に貼ったグラフを見ると、

初回投与までの時間が早ければ早いほど、モータリティーが少なく、

特に6時間以内に投与できた場合、死亡率が0.0%になっていることは注目に値します。

その点、今回のVITAMINSはというと、、、

とMarik先生は表現しておられます。

 

また初回のビタミンC投与までにかかった時間が長すぎることの他に、

補液の量が多すぎることなどもあるようですが、

総じてアセスメントとしては、、、

少し過激ですねw

 

ただ敗血症の適切な治療の確立の為、

敗血症RCTでこれ以上、無駄に犠牲になる方がいないように、

flawed RCTが続くことがないといいなと思います。