最適なビタミンC投与方法ガイド1

本日の内容はいかに効果的にビタミンCの補充ができるか、です。

ビタミンCは骨粗鬆症やほぼ全ての慢性疾患の原因となっており、さらにその悪化にも関わっています。

ビタミンCが不足している体の部分では酸化ストレスが増加するからです。

ご自身のビタミンCが低下しているかどうかをチェックするのは簡単です。ビタミンCは血液検査で簡単に測定することができますが、ビタミンCの錠剤やカプセルなどを日常的に飲んでいない人は、血中濃度を図っていただくと、まず確実に低下しています。

では、それを改善するにはどうしたら良いでしょうか。単にビタミンCを内服していただくのも良いですが、効果的に体内のビタミンCレベルを増加させるために重要となる、次の9つについてご説明します。

  1. 投与量
  2. 経路
  3. 速度
  4. 頻度
  5. 治療期間
  6. ビタミンCの種類
  7. 補助療法
  8. 安全性
  9. 全体的なプロトコールの品質

ちなみに今回の内容は、Thomas Levy先生の Hidden Epidemic という本の内容に沿っています。

大島晃先生が、日本語題「口腔感染症の脅威」として日本語に翻訳してくださっておりますので、ご興味がある方はぜひそちらもどうぞ。

 

さて、まずはビタミンCの ①投与量 です。

多くの慢性疾患を持つ方にとってビタミンCは常に不足しているので、少しの摂取でも、ビタミンCの恩恵は期待できますが、酸化ストレスが多ければ多いほど、ビタミンCは消費されてしまいますので、多ければ多い方が良いでしょう。

 

ご参考までに一般的なビタミンC(内服)の投与量をお示しします。

  • アスコルビン酸ナトリウム(水溶性)
    • 5~15g/日〜最大 腸許容量まで(一度に多く取ると下痢をします)
    • 1日の中で数回に分けて
  • パルミチン酸アスコルビル(脂溶性)
    • 1-2g/日〜2g-5g/日
    • 1日の中で数回に分けて
  • リポソーム型ビタミンC
    • 1-5g/日(最大投与量は特になし)
    • 複数回に分ける必要なし(一度に大量に摂っても下痢しないため)

このそれぞれの種類のビタミンCをとっていただくのが理想です。

 

②経路

ビタミンCの投与経路には以下が考えられます。

  • 静脈注射
  • 筋肉注射
  • 経口
  • 経直腸
  • 噴霧吸入
  • 目または耳への局所投与
  • 経皮

注意点と説明として、目や気道などのデリケートな部位への投与は中性の溶液を使用しましょう。

筋注は乳幼児への投与に良いですが、浸透圧が高いと痛みを伴いますので痛み止めを混ぜたりします。

 

③投与の速度

ビタミンCの投与量は疾患治療を目的とする場合非常に重要ですが、投与速度も同様に非常に重要なファクターです。

 

<静脈注射>

急性中毒などの差し迫った状態にある患者さんにはできる限り多くのビタミンCをできる限り早く投与すると良いと考えられています。

具体的には、毒ヘビや毒グモによる咬傷など、毒物による急性中毒で、F. R. クレナー医師は12gのビタミンC(50cc)をプッシュして患者を救命しています。

 

<急速点滴>

点滴が全開で落ちる速度で投与します。

具体的には、50~100gを40~60分で落とすことになります。

ビタミンCとグルコースの分子構造が非常によく似ているため、体がグルコースが大量に入ってきたと勘違いして、インスリンが放出され、20~25mg/dlまで血糖値が下がる可能性があります。

この状態は、体がIPT療法(インスリン増感療法、インスリン強化療法:inslin potentiated therapy)と同じ状態になっており、通常より大量のビタミンCが細胞内へ入ることになります。

 

<低速点滴>

急速点滴よりも、長く点滴の時間をかけることで、高いビタミンC濃度を長い時間保つことができます。

心疾患や癌などの多くの慢性疾患で効果がより期待できます。

もちろん急速点滴との組み合わせも、その両方の効果を期待することができるため良いでしょう。

 

<持続点滴>

24時間持続的に点滴する方法です。

非常に効果があるはずでありながら、残念ながらどの病院でも行われていない方法です。

状況が許せば癌だけでなく、多発性硬化症やアルツハイマー病などの神経変性疾患にも効果が期待されています。

(現在リオルダンクリニックで研究されています。)

 

④頻度

最適な投与頻度は、その方の前回のビタミンC投与に対する臨床的な反応を鑑みて決定されます。

急性感染症や急性中毒などの場合、顕著な改善が見られなかった場合、より多くのビタミンCを、即座に投与されるべきです。

その後、バイタルサインや症状の改善を目安に頻度や投与量が決定されます。

もちろん、静脈内投与だけではなく、経口のビタミンC投与についても同様です。

 

⑤治療期間

状態がビタミンCの投与によって改善したように見えても、その後48時間はかなりの量のビタミンCの投与を検討するべきです。

多くの感染症(特にウイルス性)では、この期間を持たないと、症状が再び悪化してくる場合があります。

 

長くなってきたので、ビタミンCの種類による違い、補助療法、安全性、具体的なプロトコルに関しては、次のブログでご紹介いたします。