勝率8割超えで認知症が改善する!方法

昨日書かせていただいた新しい論文での、アルツハイマー型認知症の改善率は実に84%です!!

つまり8割以上の患者さんが認知機能が改善した方法!ということです。

どのように患者さんがたが、この研究の中でリコード法を行っていたかを今回はご紹介します。

この通りにやっていけば8割以上の確率で認知機能が改善すると考えると勇気が湧いてきますね。

では行きます。

 

まず、今回対象となった患者さんのプロフィールです。

アルツハイマー病または軽度認知障害のある、50〜76歳の25人の患者が対象で、カリフォルニア州2カ所、オレゴン州1カ所の病院でリコード法治療を受けられました。

女性は13人、男性は12人で、

4人はApoE4が二つ、8人はApoE4とApoE3を一つずつ、11人はApoE3が二つ、2人はApoE2とApoE3を一つずつ持っていました。

 

<必須条件>

また対象者は、コントロールされていない心血管疾患や癌など、また認知に影響を与えることが知られている向精神薬やスタチンなどを辞められる方、

家族や介護者などの治療に協力してくれる人がいること、

運動ができること、

コンピュータにアクセスできること、

アルツハイマー型認知症以外の神経変性疾患(前頭側頭型認知症など)の診断ではないことなどが必須条件でした。

 

<治療前評価>

このような対象患者さんは、治療の前にモントリオール認知評価(MoCA)やCNSバイタルサイン、AQ-21などを受けて、治療前の評価を行いました。

 

<遺伝子検査>

またApoE遺伝子や凝固亢進のマーカー(第V因子ライデンなど)、

解毒のマーカー(グルタチオン関連酵素やその他の解毒経路に影響を与えるヌル対立遺伝子など)、

メチル化(例、MTHFRおよびMTRR)、

脳ホルモンレベル、炎症、栄養素輸送に寄与するなど、

認知機能低下に関連する可能性のある数百の遺伝子を検査しました。(IntellxxDNAにて)

 

<バイオマーカーなど検査>

治療前に以下の検査を行いました。

インスリン抵抗性(HOMA-IR)、タンパク質糖化(ヘモグロビンA1c)、

血管疾患(高度な脂質パネル、C反応性タンパク質、ホモシステイン)、

全身性炎症(C反応性タンパク質、フィブリノーゲン、ホモシステイン)、

慢性感染症(単純ヘルペス1型、単純ヘルペス2型、エプスタインバーウイルス、ヒトヘルペスウイルス6型)、

ボレリア、バベシア、バルトネラ、パリドントレポネマ、ヒト免疫不全ウイルス、C型肝炎ウイルス)、

胃腸の健康(腸内病原体の便分析、消化、吸収、腸内免疫マーカー、ミクロビオーム分析)、

ホルモン調節不全(血清エストラジオール、プロゲステロン、プレグネノロン、DHEA硫酸塩、テストステロン(遊離、総)、

性ホルモン結合グロブリン、前立腺特異的抗原(男性)、遊離T3、遊離T4、逆T3、TSH)、

栄養状態(ビタミンB群、ビタミンD、ビタミンE、マグネシウム、亜鉛、銅、CoQ10、リポ酸、オメガ-6:オメガ-3比、オメガ3インデックス)、

毒素または毒物曝露(金属、有機毒物、および生物毒素(尿中マイコトキシン))、

自己免疫マーカー(例、甲状腺ペルオキシダーゼ、サイログロブリン、抗核抗原)、

免疫グロブリン、CD57、

夜間低酸素血症(特定するためのオキシメトリー)睡眠時無呼吸および上気道抵抗症候群)、

認知機能低下に関連する他の生化学的パラメーター

 

<MRI検査>

治療前と、治療終了後の9ヶ月後に、MRIにて脳の容積を測定しました。

3T MRIで、MPRAGEまたはSPGRで撮影し、海馬と総灰白質の容積を定量化し、治療前後で比較しました。

 

<治療>

治療前の検査で見つかった、各患者さん特有のリスク因子に対して、個別した治療プロトコルで9か月間治療されました。

認知機能は治療前、3ヶ月、6ヶ月、9ヶ月で評価され、

治療チームには、医師だけでなく、ヘルスコーチ、栄養士、フィジカルトレーナーも含まれていました。

 

<生活習慣>

  • 食事
    • 食事は、葉物野菜などでんぷん質の少ない野菜を多く摂取し、繊維質を多く摂るようにしました。毎日12-16時間の断食を行い、不飽和脂肪酸を多く取り、穏やかなケトジェニックとなるようにしました。
    • 農産物は有機、魚は天然物で水銀の蓄積の少ない魚(サーモン、サバ、カタクチイワシ、イワシ、ニシン)など、肉や卵は放牧されたものが奨励されました。
    • 加工食品や精製炭水化物、グルテン含有食品、乳製品は避けてもらいました。
    • 家でもケトン体を測定し、血中ケトンレベルは1.0〜4.0 mMとなるようにしました。
  • 運動
    • 有酸素トレーニングと筋力トレーニングの両方を、1日あたり少なくとも45分間、1週間あたり少なくとも6日間行いました。
    • 高強度インターバルトレーニング(HIIT)は、最低でも週に2回推奨されました。
    • 患者さんにはパーソナルトレーナーがついてこれらを行いました。
  • 睡眠
    • 1日7〜8時間の質の高い睡眠を確保するようにしました。
    • 睡眠時無呼吸のテストを行い、睡眠時無呼吸または上気道抵抗症候群(UARS)と診断された患者さんでは、持続的気道陽圧装置(CPAP)や歯科用副子装置(UARSで特定された患者)による治療が行われました。
  • ストレス管理
    • 1日最低10分間、IOSデバイス用のハートマスインナーバランスを使用した心拍変動トレーニングを行いました。
    • 脳トレーニングはBrainHQを、毎日最低15分間行いました。

 

<その他の治療>

  • ホルモンと栄養素:
    ホルモン状態が最適ではない患者さんには、ナチュラルホルモン補充療法、サプリメントの投与が必要な患者さんには最適なサプリメントが投与されました。(性ホルモン、甲状腺ホルモン、ビタミンD、オメガ3、ビタミンB群、CoQ10、ミネラルなど)
  • 胃腸の健康:
    リーキーガットや腸の感染症や炎症、また吸収と消化の障害がある場合は、食事の改善や腸を治癒する栄養素、腸内毒素の解毒、必要に応じて消化酵素などを投与して治療されました。
  • 炎症:
    全身性炎症の疑いがある場合は、分解促進メディエーターと抗炎症性ハーブサプリメント、オメガ3脂肪酸などが投与されました。自己免疫疾患が疑われる場合は低用量ナルトレキソン療法も行われました。一部の患者さんでは、空腹時模倣食も利用されました。
  • 感染症:
    認知機能障害や全身性炎症の原因となる感染性病原体が特定された場合は治療されました。単純ヘルペス感染またはその病歴がある場合は、バラシクロビルが2〜6か月間処方されました。活動性のエプスタインバーウイルス(EBV)はハーブプロトコルで治療されました。ボレリア、バベシア、バルトネラなどのダニ媒介性感染症がある場合は、ハーブ系抗菌薬と免疫サポートを用いた生物感受性治療が処方されました。
  • 毒素と毒物:
    重金属(水銀や鉛など)、有機汚染物質(ベンゼン、フタル酸エステル、有機リン系殺虫剤など)、生物毒素(トリコテセン、オクラトキシンA、グリオトキシン)などの毒性が検出された場合は、バインダー(コレスチラミンまたはベントナイト粘土など)、サウナやハーブ、スルホラファン、必要に応じて魚介類の制限などを用いて解毒治療を行いました。

 

こうしてリコード法を厳密に行った結果、84%の患者さんで認知機能の改善が認められ、

今まで30年以上、400以上の研究論文で認められなかった認知機能の改善が期待できる治療法が証明されたのです。

今までの、メマリー(メマンチン)やアデュカヌマブなど、機体の新薬として認可され市場にでた薬も、良くて進行速度を少しだけ遅くする程度、

リコード法のように病気の進行を止めたり、認知機能を改善するという研究論文は、世界初です。

MoCAスコア、CNS バイタルサイン、AQ-C、BrainHQ、MRIボリュームなど、今回観察された効果は、これまでに報告されていません。

 

認知機能障害は、諦めなければいけない不治の病ではありません。

リコード法の効果が証明されたいまや、十分に逆転が可能な病なのです。

もちろんもっと多くの医療者の注目を集め、多くの患者さんに治療機会を提供するためには、大規模なランダム比較化試験は必要です。しかし誰がその臨床試験でプラセボ群に割り振られたいでしょうか。

何十年か後に大規模な臨床試験の結果が出るのを待つか、1日でも早くリコード法を開始して、認知機能を逆転させるか、どちらを選びますか?