リコード法と山田養蜂場(株)

ReCODE Protocol Core Kit

11月11日(月)東京にブレデセン先生がいらっしゃいました。当院の新井綾子リコード法コーチも急遽出席してブレデセン先生にご挨拶して来てもらいました。

このイベント、実は山田養蜂場(株)がスポンサーでした。そしてその会場で新しく山田養蜂場(株)が販売開始する認知症予防のためのサプリメントの広告を大々的にした模様です。というか、このブレデセン先生を招いたこのイベントは、広告のためだったという事なのでしょう。もちろん、表むきは講演もありカモフラージュされていたようですが、、、。いわゆるイメージ作戦でしょう。

関係者と思われるある先生は、これによってリコード法が日本に普及する、と喜ばれているようでしたが、果たしでそうでしょうか?私はそう簡単には喜べません。もちろんリコード法が多くの日本人の知るところとなる事は喜ばしいしすばらしいのですが、国産サプリメントを売りたいためのその広告にリコード法と言う言葉やブレデセン先生が引き合いに出されることに大きな懸念を感じずにはいられませんでした。

なぜなら、認知症を40代から予防するためには、コグノスコピーというリコード法の基本検査を行って、それぞれ個人に適した予防法を行うのが、本当のリコード法です。サプリメントはそのごく一部であって、主として食事や運動、ストレス対処、睡眠の改善、そしてホルモン状態の改善などがとても大切なのです。サプリメントはそれらの次に来るものだと、診療していてつくづく実感しています。認知症予防にサプリメントを飲もうっていうのは、完全に「なんちゃってリコード法」です。サプリメントで予防できれば苦労はいりません。残念ながらそれほど認知症は甘くはないと私は考えます。いくら世間にリコード法を普及するためとはいっても、サプリ販売の広告で知ってもらうって、それってどうかと思います。

この投稿の画像は、LifeSeasonsという会社のリコード法に特化したサプリメントです。リコード法の型分類に合わせて購入しやすくなっています。患者さんたち待望のサプリメントです。11月から順次、個人輸入またはBFLクリニックののようなリコード法を行っているクリニックで購入できるようになりました。そして、なんとこの会社は2016年ころに山田養蜂場(株)に吸収合併されています。つまり、山田養蜂場(株)は、認知症サプリの分野で今後社運をかけたサプリメント販売と言うお商売を世界規模で展開していこうという事の様です。

リコード法に必要なサプリメントには、日本では医薬品扱いになるキレート化されたミネラルやビタミン誘導体や、ホルモン剤扱いになるメラトニンやプレグネノロンが入っています。日本でこれらを製造販売するためには医薬品製造販売業の認定を受けなくてはできません。要するに製薬会社でなくては残念ながら日本では作れないのですね。したがって、現在山田養蜂場(株)が日本で作って今回ブレデセン先生をアメリカから招いて広告したサプリメントは、リコード法に必要なサプリメントではなく他のものです。山田養蜂場(株)は、せっかく大金をかけて子会社にしたLifeSeasonsのサプリメントを輸入販売できないのです。輸入販売できるのは、合法的には製薬会社または診療に使うクリニックだけなのです。今後の動向が気になります。

多くの医師が、生活指導もそこそこに投薬治療を行う様に、リコード法でも認知症の予防のために必要な生活指導や詳しいコグノスコピーと言う検査をおざなりにして、予防のためにサプリメント、なんてことにならなければ良いのですが。

リコード法を理解している人は、このような懸念を強く感じていることと思います。