リコード法の甲状腺治療(その1概略)
リコード法、つまり機能性医学では、甲状腺ホルモンの基準値は、日本の通常医療よりずっと厳しい値を目指します。しっかりと適切な量の甲状腺ホルモンが働いて、体調がとても良い時には「このような値よ~」というのを示しているとお考え下さい。
【リコード法の基準値(最適値)】
Free T3 Serum 3.2 – 4.2 pg/ml
Reverse T3 Serum < 20 ng/dl
Free T3:Reverse T3 > 20
Free T4 Serum 1.3 – 1.8 ng/dl
TSH Serum < 2 uIU/ml
BFLクリニックを受診される患者様のほとんどは、機能性医学の検査値からみると甲状腺機能低下状態です。そして、アーマーサイロイドという天然型甲状腺ホルモンの内服をお勧めすることになります。
ホルモン治療は、ずっと続けなければならない場合もあります。さらに、同じ量を使っていても徐々に十分な効果が得られなくなって、ホルモンの投与量を増やさなくてはならない場合もあります。これは、人工ホルモンであろうと天然ホルモンであろうと同じです。(注意:人工ホルモンはお勧めできません。)
では、どうしたら良いのか、、ホルモン治療は受けるべきか受けないべきか?もちろん受けるべきです。天然型ホルモン補充療法を受けて体調を一気に良くすることはとても大切です。そして、その先があるのです。
本日から数回にわたって、「天然型ホルモン補充療法を受けて、それだけではだめですよ~」、「機能性医学によって元を治しましょう。」「自分の体がホルモンを出せるようになりましょう」と言った、機能性医学での、特に甲状腺の治し方について書こうと思います。
そして、今回は、短気な人用にというか、結論だけ最初に知りたい人用に、リコード法の甲状腺治療(その1概略)を書きますね。
【甲状腺の機能性医学的な治療戦略】
1,最初に血液検査(TSH, freeT3, freeT4, TPOAb, TgAb)BFLクリニックではrT3も測定
甲状腺ペルオキシダーゼ抗体(TPOAb)<9 IU/mLまたは陰性
サイログロブリン抗体(TgAb)<4 IU/mLまたは陰性
2,甲状腺機能を最適化するために必要な栄養素の血液検査
フェリチン(血清):最適値40~100ng/mL
ビタミンD(血清):最適値50~80ng/mL
ビタミンA(血清):正常値0.30-1.20mg/L、最適値0.8-1mg/L
ホモシステイン(血清):正常値4-15mmol/L、最適値7-8mmol/L
セレン(RBC):120~300mcg/L、最適200~250mcg/L
亜鉛(RBC):正常値790~1,500mcg/dL、最適値1,000~1,200mcg/dL
マグネシウム(RBC):正常値1.5-3.1mmol/L、最適値2.5-3.0mmol/L
3,甲状腺機能のモニターを基礎体温を測って行う
4,適切な治療(ライフスタイルや食事内容の変更・天然ホルモンやサプリメントの処方)を受ける
5,2~3か月後に、再検査を受けて、治療内容の見直しを受ける
以上が概略です。次からは、具体的に【甲状腺の機能性医学的な治療戦略】の内容を、ひとつずつ書いていきますので、お楽しみに。
【本日のおまけ】※おまけの方が長文やん!?
私の甲状腺機能検査の結果の推移と治療。まだ途中ですが、考え方の流れが見えてくると思うので、もしよろしければ、ざ~~っと見てください。(興味のない方は飛ばしてください。)
19.6.27 | 20.4.30 | 10.28 | 21.3.2 | 7.13 | 10.20 | 11.1 | 11.11 | |
TSH | 1.0 | 1.6 | 0.014 | 1.19 | <0.01 | 3.30 | 1.26 | 1.51 |
freeT3 | 1.99 | 2.48 | 3.06 | 2.41 | 2.94 | 2.26 | 2.19 | 2.33 |
freeT4 | 1.1 | 1.13 | 1.39 | 0.97 | 1.05 | 1.1 | 1.13 | 1.14 |
rT3 | 22 | 16 | 14 | 18 | 25 | 31 | ||
fT3/rT3 | 9.05 | 15.5 | 21.9 | 13.4 | 11.8 | 7.3 |
基準値超えは赤字、基準値以下は青字で示しています。
アーマーサイロイド(60mg)を2019年9月末から毎日1錠で飲み始めて、飲んだその日から元気が出ました。歩くのも話すのもスピードアップした感じでした。しかし、徐々にそのような体感がなくなり、2020年4月30日の検査結果は、freeT3もfreeT4も基準値以下で、アーマーサイロイド開始前とさほど変わっていませんでした。そのため、アーマーサイロイドを倍量の120mgに増やしました。その後の10月28日の検査結果は、さすがにかなり良い値になりました。freeT3こそほんの少し基準値以下でしたがその他の値は基準値以内。fT3/rT3は、基準値の20以上と、日本人ではあまり見かけない素晴らしい値でした。
さ、ここからの経過が重要です。アーマーサイロイドを増量したまま続けて飲んでいるにもかかわらず、2021年3月2日甲状腺ホルモンの値(freeT3とfreeT4)は再び低下、そして甲状腺刺激ホルモンのTSHが上昇してきました。つまり、甲状腺ホルモンが足りていないからもっと甲状腺ホルモンを出す様にという下垂体からの指令が発動していたのです。そしてその後、、、さらになんとしたことか、2021年7月13日には、甲状腺ホルモンが依然低いのにもかかわらず、もっとホルモン出せという指令のTSHが<0.01と減ってきてしまいました。極端な値で、、、???です。
甲状腺ホルモンが低いのに、TSHが低い~、そこで頼りになる体感はというと、元気がないわけではないけど、今一。すごく快適かというとそんなでもなく、なんとなくエネルギーが減退しているかなといった感じでした。
さてあなたならどうしますか?
私が選んだ方法は、いったん全部やめてみようでした。天然に限らずですが、ホルモン治療は徐々にやめるのが基本です。しかし、徐々にが苦手な(患者さんにはもちろん徐々をお勧めしますが、)私は自分の体で実験を兼ねて一気にストップしてみました。
そして、2021年10月20日、ホルモン補充を止めて、TSHは、上がりました。下垂体からの指令が発動しています。しかし、自分の体感としては、全体として元気なし、エネルギーの欠如を感じました。酷い時は、鬱っぽくなり、ビタミンC点滴や瞑想で乗り切ろうとしたけど、2回ほど(間隔は1週間くらいあけて)天然甲状腺ホルモンを飲みました。飲むと、30分ほどで信じられないくらい気分が明るくなりました。
と、その後、アルツハイマーリンクスというサイレックスアレイ社の抗体検査の結果が届いたところ、なんと私は卵に反応がとても強く出ていました。小麦は少々。これらが甲状腺にも反応していたはずと思い、思い切って、この二つの完全除去を開始しました。今現在(22021年12月9日)続けています。付け加えて言うと、甲状腺に悪いので、乳製品もA2(カゼインの種類)のもの以外、摂取していません。
2022年2月に再検査の予定です。良い結果を期待したいところです。でも、、実は、、、、甲状腺を痛めつけるような精神的ストレス真っ只中のため(涙)、どうなることやらです。