骨粗鬆症②〜牛乳は骨に良い?悪い?〜

私たちは、牛乳には豊富なカルシウムが含まれているため、牛乳を飲むと骨と歯が強くなると信じてきました。しかしそれが幻想で、むしろ牛乳を飲むことは、骨を悪くすることになるかもしれないという研究がたくさんあるのです。

もちろん牛乳は美味しいです。しかしそれをこれからは健康のため、骨を強くするために飲むことは辞めた方が良いかもしれません。

本日はその理由をお伝えします。

 

《牛乳が骨に悪いことを示す多くの研究があります》

スウェーデンの科学者のチームによって行われた研究では、牛乳の消費が増えると、骨折や骨粗鬆症だけでなく、死亡率の増加があることが示されています。

またスイスやデンマークなどの多くの牛乳を飲む習慣のある国では、骨粗鬆症の発生率が高いことはよく知られていますし、データでも出ています。

さらにさらに20歳以上の女性の研究では毎日200gを超える牛乳(コップ1杯未満)を飲むグループはそうでないグループと比較して、死亡率と骨折のリスクが増加しました。

驚くべきことですが、このような牛乳や乳製品が、骨を強くするどころか、むしろ骨粗鬆症や骨折を引き起こすということを実証する研究は、そうでないこと(骨を強くする)を証明する研究を上回っているのです。

極め付けに、12年間にわたり、77,761人の看護師(34歳から59歳)を調査したハーバード大学の大規模な研究では、乳製品からカルシウムを多く摂取した人は、牛乳をほとんど飲まなかった人よりも、骨折の数が多かったことがわかったのです。

 

《牛乳を飲むと骨折が増えるのはナゼ?》

第一に、明らかなのは牛乳や肉、チーズなどの高タンパク食品はメチオニン・システインなどの含硫アミノ酸を多く含みます。これらの含硫アミノ酸は最終的に硫酸イオンとなり、体液の酸・塩基平衡を酸性側に傾けますが、それを防ごうと生体はアルカリ源を動員して中和しようと働きます。このアルカリ源がもっぱらがカルシウムで、体内のカルシウムの99%は骨に存在するため、牛乳を飲むと、むしろ骨を溶かしてカルシウム排出が増えるのです。これは代謝を調べる実験で明らかになっています。

次に牛乳の中に異種エストロゲンが含まれていること、砂糖の一種であるDガラクトースが含まれており糖化を促進すること、乳糖不耐症の方が多すぎるので慢性炎症を引き起こすこと、カルシウム、マグネシウム比が悪すぎることなどがあります。

そもそも牛乳は牛の赤ちゃんの飲み物です。牛でさえ成長したら飲み続けることはありません。牛も成長するにつれ乳糖不耐症になるためだそうです。

私たちが乳糖不耐症であることはむしろ生物として自然なことなのです。

 

《骨を強くするには・・・?》

もちろん骨粗鬆症のリスクは牛乳だけではなく、運動不足や、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ホルモンレベルの異常、薬など、様々な因子があります。

当然ながら牛乳だけが骨粗鬆症の原因ではありません。

牛乳を骨のために飲むのを辞めて、例えば運動をたくさんしたり、特に女性の場合はホルモンの状態を適切に保ち、サプリメントで言えばビタミンD、ビタミンC、マグネシウムの摂取などを十分取るようにすると良いです。

骨を強くしたいならそのような確実で、安全な方法を取るようにしましょう。