アトピー性皮膚炎を改善するサプリメント

前回アトピー性皮膚炎に、食事に気をつけていただきたいこと(遅延性フードアレルギー)、

またウーロン茶が以外にもかなり良さそうであることををご紹介いたしました。

 

今回はサプリメントを活用する場合、どんなサプリメントが効果が期待できそうかご紹介させていただこうと思います。

 

  1. 魚油、ω3脂肪酸

一番有名なのはω3脂肪酸です。DHAやEPAですね。

アトピー性皮膚炎の31人の患者さん(16〜56歳)を2グループに分けて、魚油とプラセボ(偽薬)とを、患者さんがどちらを服用しているかわからないようにして投与したところ、

魚油を服用したグループはかゆみ(p <0.05)や全体的な重症度(p <0.02)がプラセボよりも効果的であったと報告されています。

 

2. 亜鉛

アトピー性皮膚炎のある65人の子供(2か月から16歳)の血中の亜鉛濃度の平均値は、アトピー性皮膚炎がない子供低く、(11.4対13.7μmol/ L; p <0.0001)

亜鉛を投与したところ、かゆみが数日いないに消え、パッチテストの反応も大部分が改善したとのことです。

 

3. ビタミンA

ビタミンAは肌を綺麗にするお化粧品でもおなじみですが、肌の健康に不可欠です。

30,000〜75,000 IU /日の大量のビタミンAを投与したところ、患者さんの75%で「満足のいく結果」が得られたとの報告があります。

ビタミンAの効果は1〜2週間以内に出始め、完全な効果が得られるまで2か月の治療が必要だったそうです。

 

4. ビタミンE

ビタミンAの利用を高めるため、ビタミンAと一緒に服用することをおすすめします。

 

5. ビタミンD3

血中のビタミンDが低い患者さんにビタミンDを投与したところ、皮膚症状が大幅に改善したという報告があります。

血中のビタミンDが十分ある患者さんに、補充の効果があるかどうかはわかりませんが、日本人の実に85%がビタミンDが不足していることを考えると、こちらも補充する価値は十分あると考えられます。

 

6. プロバイオティクス

体の免疫の大部分を司る、腸内環境を整えるプロバイオティクスです。

調べてみると、プロバイオティクスがアトピー性皮膚炎に効果があるという論文と、効果がないという論文と両方あります。

この矛盾する結果は、使われているプロバイオティクスが、牛乳由来のアレルギーの原因となるカゼイン(ミルクタンパク質)が含まれていることに由来すると考えられます。

プロバイオティクスのサプリメントを服用するときには、乳タンパク質を含む培地で培養されたプロバイオティクスを選ばないように注意してください。

 

7. ビタミンB群

ビタミンB群が不足しているアトピー性皮膚炎の患者さん100人に、ビタミンB群を補充したところ、患者さんの大多数に著しい改善が見られました。

 

8. メラトニン

アトピー性皮膚炎の症状のある方に、睡眠障害はよく見られます。

皮膚炎と睡眠障害のある子供と青年(1〜18歳)に、メラトニン3 mgを毎晩4週間投与すると、

湿疹の重症度が18%(p <0.001)大幅に低下し、プラセボと比較して、眠りにつくのに必要だった時間も、21分も改善されたとのことです。

メラトニンはアトピー性皮膚炎の治療だけでなく、それに伴う睡眠障害にも効果があると言えます。

 

9. 胃酸 

アトピー性皮膚炎のある患者さんの中には、胃酸が少ない、低胃酸症の方がよくいらっしゃいます。

1929年と古い研究では、患者さん11人のうち8人が低無酸症であることがわかりました。

低胃酸症があるので、ビタミンやミネラルの吸収が悪く、栄養素の欠乏などが起こりやすいのですね。

そんな方は、胃酸の代わりになるトリメチルグリシン(塩酸ベタイン)などがオススメです。

 

 

今まで、アトピー性皮膚炎の患者さんにお勧めしたいサプリメントでしたが、次は摂取しないように注意していただきたい物質です。

それはフッ化物です。

フッ素などの形で歯磨き粉や、液体ビタミン剤中の中に含まれており、これに対するアレルギー反応がアトピー性皮膚炎を引き起こすことが論文で報告されています。

歯磨き粉でもフッ素が入っていない製品などもありますので、ぜひ注意してみてください。