腱引き(1)側弯症

側弯症のタイプ

私が、「腱引き」研究にのめりこむことになったきっかけは、側弯症です。
私がはじめて「腱引き」を見学したとき、初老の男性の10年来の側弯症の痛みが、ほんの5分ほどの施術で消えたのです。
その男性は、「腱引き」を受ける前まで側弯症の痛みのために仰向けで寝れなかったのに、「上を向いて寝れる。痛くない。」と、喜んでいました。

私は、小児科医でしたから、その時、こどもの側弯症もこれで進行が止まったり、良くなるのではないかと思い、研究することにしました。

そしたら、効果には、きちんと理由があることがわかりました。
側弯症の起こり始めのような状況の、小学生に出会ったのです。正確には、小口氏が、その子と会わせてくれたのです。

その子は、交通事故で、その後体調不良、背中を擦ってみると一椎体が少し回旋していたとのことです。しかし、腱引きを数回受け、ある運動(側弯症や後弯に効果あり)を続けていたところ、椎体の回旋はなおりました。

もしも、この子が腱引きを受けなかったら、重力との影響で回旋は上下の椎体に影響し、徐々に広がり側弯症につながったと思われます。運動学の教科書や文献から、そのあたりの理論は説明がきれいにつくだろうことを知りました。

そして、そのあたりの文献を読んでいたところ、もっとすごいことを知りました。

なんと、脊柱のすぐ近くにある小さな動力装置としては全く役に立ちそうにない回旋筋や多裂筋が、センサーとしての役割をしているらしいということが、基礎研究では判ってきていたのです。(多分ほとんどの医師は知らないのでは、、、。)そして、体を捻る動力として働く筋はというと、腹筋(内腹斜筋や外腹斜筋)だったのです。さらに、脊柱起立筋はというと、平衡感覚の指令のもとに、体の傾きを正そうと、とくに側弯の凸側の脊柱起立筋群は四六時中働くことを余儀なているのです。

これらが、まさしく、腱引きの施術や運動指導で、改善の目標としている筋や作用そのものだったのです。だから、効果があるのでしょう。腱引きが、側弯症に効果的な理由が、非常に納得できました。

側弯症の人、後弯のある人、肩の高さの違う人、骨のゆがみが痛みの原因ではありませんし、姿勢のゆがみの原因でもありません。筋肉が骨の並びを変え、姿勢を変えているのです。だから、腱引きがぴったりなのです。

そして、これは、機能性医学でもあります
(^^♪