リコード法とケア~介護について~

リコード法を始めるとすぐに、多くの患者様ご家族は、患者様の体調が良くなったことに気付かれます。

一番早い方は、初診日当日にクリニックでビタミンD3+Kとマグネシウムなどサプリメントを数種類購入され、遠方のため一泊クリニック近くのホテルに宿泊されて、翌日つまりサプリメントを飲み始めて2日目の帰路で、いつもより体調が良くなられたとおっしゃっていました。まさかとも思いますが、それまでまったくサプリメントを飲まれていなかったので、あり得たのだと思いました。

肌がきれいになった、夕方まで疲れずに仕事ができるようになった、元気になって活動性が上がった、にこにこと良く笑うようになった、等と言う言葉を患者様やご家族様からお聞きします。それも、リコード法を初めて1~2か月の早いうちの事が多いです。

それと共に、私が気付いたことは、ケアが良い方向に回り始めると、ケアとリコード法とが合わさって効力を発揮する!という事です。

リコード法を始めるということは、多くの場合、ご家族の方が患者様のために時間を使い、一緒に受診し、ライフスタイル改善に協力し合って努力することになります。良くなってほしい、気持ち良く生活できるようになってほしい、そんな気持ちでケアするご家族が、知恵を絞り、労力を惜しまず、実際にスーパー介護ともいえる生活改善をリコード法に則って行うので、患者様にその心が伝わります。

心もちか、受診当日の患者様は、不安そうというよりは淡々とされていたり、若干これから始まる新しいことに嬉しそうな表情の事もあります。こちらがそのような思いで接するためかもしれませんが、、。ご家族様に付き添われ、皆が患者様のために時間を使うのですから、いわば主役ですから、潜在意識としてはうれしいのだと思います。

初診日だけではありません。その後も、リコード法を継続されるという事は、多くの場合ご家族の方々が、主役の患者様のために努力を続けるので、患者様にとっては、ご家族との接点が増えてコミュニケーションも増えるのでしょう。甲斐甲斐しく、いろいろ患者様の事を考えて実際に介護されれば、ご本人の体調も気分も良くなることが多いです。

私の母の場合も例外ではありませんでした。リコード法で体調が良くなり、明るくなりました。そしてさらに、2月から3世代の生活が始まると、孫に甲斐甲斐しくされるのでやる気も気力もUPして、MOCA-Jの点数も19点から23点にあがりました。

しかしです、先月、発熱から2週間ほど体調を崩し、体力気力が低下し表情も暗くなってしまいました。MOCA-Jが19点のころまでは戻ってはいないと思いますが、21点くらいの感じになってしまいました。そして、どうしたものかと思っていた矢先、さらに悪いことに、部屋の中で滑って転んで側頭部を強打し2秒ほど意識まで失いました。一瞬の出来事に、近くにいた私は「もうだめだ~」と思いました。これで体調を崩して様子が悪いのに加え、頭部打撲で認知機能も元の木阿弥になってしまうのではないかと思いました。なんとかしなくてはと、真剣にその後の丸1日、どうしたら打撲の影響を最小限にできるか?頭部打撲の後遺症がないか?些細な変化も見逃すまいと、いつも以上に、母の様子を真剣に観察して頭を絞ることになりました。そして母と時間を過ごすことになりました。

はからずも、母は主役になりました。そうしたら、ふと気づいたら、母は頭部打撲前よりもたった1日で元気になったではありませんか?体調を崩し表情が暗かったのがウソのように、良く話し、家事を手伝おうとして家の中を行ったり来たりしています。

そうなのです。リコード法で糖質制限をして、CPAPをつけ、サプリを飲んだりホルモンクリームを塗ったりのベースがあったので、さらに頭部打撲でケアの質が急にあがり家族との時間が増えたら、一気に、たった1日で認知機能が良くなり生活の質がUPしたのです。

ケアの力、介護の質が、大切だと実感しました。リコード法のベースの上に、これらが加わるとたった1日で状況が変わる経験をしました。